「それでも、ボクには家族なんて存在を、想像もできないのです。」
「どうかしましたか、ラビさん。何か考えごとでも?」
「あ、カカシさん……。カカシさんは、ご家族はいるですか?」
「……いるわけがないのです。ゴメンなさいです。」
「ははは……確かに。ただ、もしかすると、同じ材料から一緒に作られた兄弟が、この世のどこかに存在しているのかも知れませんが。
そして、私がここに存在するからには、私を作った誰かが、必ずや存在したはずなのです。それが、父なのか母なのかはわかりませんが。」
「あぁ……なるほどです。そう考えれば、ボクにもかならず親がいるわけなのです。
さすがに、木の股から生まれたとか、ドブの中から自然発生したなんて可能性は、確率的には少ない気もするです。」
「ははは……それもまた、極端な考えですが。ラビさんになら、きっと、ご家族はいますよ。」
「……カカシさんは、ボクの本当のところを知らないのです。ボクは……もしかすると、試験管の中で生まれたのかもです。」
「それはきっと、設計図や目的があって誰かに作り出された物で、どこかに親と呼べる存在はいるハズなのです。」