>>305
【セルジュ】
私はヴィオール家では、騎士かメイドか、
よくわからない立場にいたの。
もちろん、本職は騎士よ。
でも、ありがた迷惑な話だけど…
私は臣下としてヴィオールさんに
とても気に入られたみたいなの。
それに、私が家事が好きだったこともあって、
自然と身の回りの世話もするようになったわ。

【ソワレ】
他にメイドはいなかったのかい?

【セルジュ】
たくさんいたわよ。あの家は名家だもの。
…でも、だから問題だったのよ。
きちんとしたメイドがいるのに、
どうして騎士である私が…という
雰囲気が、メイドたちの中にあったの。
だから私は、騎士であると同時に、
他のメイドを意識しなければならなかった。
他のメイドよりも、慎ましく女性らしく。
そしてもちろん、騎士らしく。
最初は大変だったけど、おかげでメイドたちも
次第に私を認めてくれるようになったわ。

本編で書け定期