>>764
−−オープニングから本編にいたる時間の経緯でも『Replicant』では1400年後、『Gestalt』では1300年後と違いがあるのは?

横尾 まず、前提となる設定として、あるとき、白塩化症候群という不治の病が蔓延し始めるんです。
その対策として肉体から魂を抜き出し、"レプリカント"という入れモノに、魂を移し変えるという治療法が確立されます。
その魂自体を"ゲシュタルト"、肉体から魂を抜きとることをゲシュタルト化と言います。
ですので、この世界では、器であるレプリカントを変えていけさえすれば、
魂はくり返し存続することができるというのが、物語の基本としてあるんです。『Replicant』と『Gestalt』は、パラレルの世界ではなく、くり返されている世界のパターンのひとつで、主人公とヨナの関係が、あるときは兄妹、
あるときは親子だった、ということで、両作で年号のズレが設定上にはあるんです。

−−そういった部分はゲームではあまり触れられませんよね?

横尾 はい。プレイしていても「なぜ世界が滅びかかっているのか。なぜマモノは人を襲うのか」と思われるでしょうが、それには演出上の理由があってそうしました。
現実の世界をみてみると、原因はよくわからないけれど、状況として実際にある、というのはよく見られますよね。
たとえば、各国や地域では、宗教上の対立というのがいまだにあるという状況はわかるけれど、なぜそうなったのか、という点は長い歴史を紐解いても感情的な部分など、細かいところまでは、自分にはわからない。
なので、ゲームでもあえてわからない部分を残して、また、実際の世の中でもよくあるように、理不尽なことが降りかかるということも描きたかったんです。
主人公をとりまく世界の設定は、細かく決めてあるんですが、
ロード中の画面などに世界設定や裏の設定的なものを少しだけ提供し、そういう細かい設定部分が好きな方には、いろいろ考えていただけるような作りにしました。