>>203
「もう今年も終わりじゃのう」
彼からプレゼントされた服を押し入れにしまう彼女の顔に笑顔は無かった
「ジョヤの煩悩も無事抑え込む事も出来たしの……我の役目も終わったという事じゃな」
永きにわたる孤独に耐えていた彼女は、グランサイファーの皆との一時を思い出す
「……おせち、結局振舞ってやれなかったの」
言葉を発する度に溢れそうな想いを必死に抑え込み、身支度をすます南南西の守護神。あの場所に帰らなければ、自分の責務を果たさねば
「アニラ、おる!!」
「お、お主…な、何しに来たんじゃ」
瞳から零れ落ちそうな涙を拭い、彼女は彼の元に駆け寄った
「どうしたのじゃ?我との別れが恋しくなったのかの?くふふ、しかし我は帰らねば成らぬ。なぁに、また12年後に
「アニラ!おる!!」
彼の手に握り締められた一本の槍、天干地支刀・未之を床に置き彼女を抱きしめた
「アニラ、ここにおる」
「……馬鹿じゃのうお主は…本当に大馬鹿者じゃ」
彼の気持ちに応える様に、彼女も力強く彼を抱きしめる。もう二度と、離ればなれにならない様にと