カードが光り、ミュウちゃんが俺の部屋に「召還」された。
「あれ?黒猫さん、ここどこですか?」
現れたミュウちゃんは不思議そうな視線をこちらに向ける。なるほど、俺が黒猫氏という設定な訳か。
「お疲れミュウ、もう祭りも三日目で疲れきたから、少し休憩を入れようと思ってね、それと少しミュウと話がしたいと思ってさ」
黒猫氏っぽい口調はどんなだろうと考えながら適当に出任せを言ってみる。
「私と?珍しいですね、魔術関係でしょうか?」
真面目に答えてくれるミュウちゃんが愛くるしい。
「察しが良いね。少し術式の事で前から相談したいことがあったんだ。飲み物持ってくるから少し待ってて」
魔法なんて、少しも分からないけどな。教われば使えるものなのだろうか?
「お待たせ、アイスティーしか無かったけど良いかな?」
メタなネタを使ってみる。
「ありがとうございます、美味しいですね、なんか不思議な匂いがしますね」
当然、ミュウちゃんがその意味が分かるハズもない。
「気に入ってくれて良かったよ、特製のハーブティーなんだ」
この日の為に用意した「高級な」ハーブティーだ。
「ええ、とても良い香りで気持ちが落ち着…あ、あれ?」
言いかけて、ミュウの眼から力が抜け、手からカップが滑り落ちた。カップがテーブルに落ち、液体がぶちまけられる。
「ど、どうしたの?大丈夫?」
俺は、白々しく心配そうに声をかける。
「あ…すみません、どうしたんでしょうか、急に意識が…」
薬はちゃんと効いたようだ。
「祭りで疲れが溜まってたんだね、少し横になると良いよアリスちゃん達には言っとくからさ」
「で、ではお言葉に甘えて…お手数掛けます…」
ミュウは申し訳無さそうに、そう言って俺に肩を預けた。小柄な体格に似合わない豊かな胸が俺の腕に当たるが、もう本人には気にしてる余裕もないらしい。
「ほら、ベッドまで行くよ。それまでしっかりして」
「う…ん…」
もう意識も朦朧らしく、子供とは言え脱力しきった体を抱えるのはそれなりに重い。
「しょうがないな…」
一旦下ろし、ミュウちゃんの両足の膝の下と腰に手を回して持ち抱えた。お姫様抱っこである。
そのまま、地下室のベッドに運び、そっと横たえた。
美しい長い髪をそっと撫でてみるとサラサラと絹の感触のようで実に素晴らしい。肩、腕へと指を這わせる。じっとりと汗ばんだ温かく柔らかい腕の感触が俺を興奮させる。
ミュウちゃんは、これから起こることも知らずに、可愛らしい寝息を立てていた。
全く、魔女っ娘の姿も良かったが、水着姿とか襲ってくれと言ってるようなものだ。
俺は、努めて興奮を抑えつつ、静かに水着の肩紐に手を掛けた。