超越はプレイヤーに「語らせる」ために必要なデッキなんだよなぁ


[GDC 2017]「Hearthstone」のリードデザイナーが明かす,プレイヤーが「語りたくなる」ゲームデザインとは
http://www.4gamer.net/games/209/G020915/20170313093/

ラフエッジの別の例として,Dodds氏はHearthstoneのFrostmageを挙げる。
 Frostmageは,いわゆるコントロール系のデッキ作りを可能とするHeroだ。そしてコントロール系のデッキにはありがちなことだが,対戦相手はFrostmageと戦うことをあまり「楽しい」とは思わないことがある(プレイヤーがやりたいことをひたすら阻害してくるのが,コントロール系のデッキの特徴なのだ)。

 結果,Hearthstoneのプレイヤーはしばしば「Frostmageに勝った!」ということを武勇伝として語るという傾向が見られる。「あの嫌なヤツを倒したぞ!」という思いは,プレイヤーに何かを語らせたくなるだけの力があるのだ。

 なお,Frostmageは本当に強いのかということになると,実は勝率は49%程度のHeroであり,統計的に言えば「Frostmageに勝つことは特別なことではない」。それでもなお,「あのイヤなヤツ」というラフエッジによって,プレイヤーはその勝利を語るべき思い出に昇華させるというわけだ。