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池田卓生:これが僕、ADなんですよ。最初、ADで入って。半年後か1年後かにディレクターが異動になっちゃったんですよ。で、その後にディレクターをっていうことで、引き継いだんです。で、もう1から教わりましたね。
池田卓生:ニッポン放送のやり方と、その時のTBSのやり方っていうのは、全く違ったんですよ。
池田卓生:いや、こだわりが違っていて。たとえば、音楽が流れて……「大吉ポッドキャスト」とかっていう鳴きがありますよね。タイトルコール。で、その裏のBGMがあって。「今からジングル、録るからね。SS、録るからね」って言われて。音楽をかけました。で、伊集院さんが鳴く。タイトルコールをします。「じゃあ次、右側に振ってくれる?」って言って。右側にそのマイクの音量を振りまして。それで伊集院さんがしゃべると、ちょっと右側だけに聞こえるような言葉を入れるんです。
博多大吉:スピーカーで言うと、右のスピーカーからだけ聞こえる?
池田卓生:そう。で、「今度は左に振って」っつって。左側に振ったら、そっちだけで聞こえるようなものだけを入れるんです。で、「最後にもう1回、エコーをかけて中央に戻して。もう1回、鳴くね」っつって、タイトルコールをして。「なんだ、これは?」っていう。
博多大吉:言ったら「大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!」って1回でいいのに、何方向からも音を録って?
池田卓生:やるんです。で、関係ないしゃべりとかもいろいろ入れるんですけど、右と左で重ねると、ちゃんとも面白いワードになるっていうか。
池田卓生:そういうことをニッポン放送ではやっていたわけですよ。
池田卓生:手間をかける分、やっぱりそのジングル、SSが出た時に「うわっ、これは面白いな!」って思いますし。今までのTBSラジオになかった文化をどんどん持ち込んだくれたわけですよ。
池田卓生:取材の仕方、編集の仕方、編集後の素材の出し方も含めて、もう全て。
博多大吉:言ったら言葉は悪いですけど。当時はやっぱりニッポン放送の方がちょっと新しかった?
池田卓生:全然、新しかったですね。もう作り方も、脈々とそういう人がいたんでしょう。そういうことをやって。1分たりともムダにしないようにするっていうことだったんだと思うんですよね。それを持ち込んでいただいて。
博多大吉:ねえ。だからネット局でしたけど。本当に失礼ながら……KBCとRKBっていうのがあるんですよ。ニッポン放送系列が福岡KBC。TBS系列がRKBなんですけども。やっぱりRKBは地味なイメージがすごくありましたもん。やっぱり、明るいポップなのはKBCで。だから演歌がかかってるからとか、そんな問題じゃなくて。なんか聞いてる感じが、RKBは地味だな。KBCは面白いなって。もちろん沢田幸二さんっていうバケモンMCがいたっていうのもあるんですけども。やっぱり、そういう細部に神は宿ってたんですね。じゃあね。
池田卓生:もう私はラジオのバラエティ番組の全ては伊集院さんから教わりましたね。
池田卓生:もう何から何まで。
https://www.tbsradio.jp/articles/77759/