TBS同窓会についてひと言、申し上げたい。
山口さんの件にからめて、あの作品をとんでもないゲテモノのように言う人がいるが、許し難い。(伝説のドラマという人もいる。)
あれは上ででてきた「とっておきの青春」の脚本家、井沢満さんが由貴さんを主人公として企画され、人間の本質を探求した深い脚本と聞いている。
(その試みは成功したとは言えないかもしれないが、視聴率も良くミスチルを売り出した)
確かに同性愛が全面に出て(由貴さんと荻野目慶子さんの百合も)そればかり一人歩きしてしまったが、
劇中でたしか「人間はしゃれこうべになれば男女も年齢もなくなる。魂の深い結びつきの前ではみな同じ」というような事を言っていたと思う。
たしか2回目の事件の後だったから由貴さんの精神状態が安定していない時期だったと思うが
あのころ由貴さんは尾崎さんを失って、男女や年齢や環境の差を超えた心の結びつきを思い詰めていたんだと思う。
泣きながら脚本に抗議しながらも、やりきったのは同感する部分があったからのように思える。
たしか最後にはドラマから離れて、由貴さん自身が問いかけるような、見たこともない斬新なものだった。
(たしか音羽信子さんとの「女優時代」もそのような所があったが)
ドラマは単に時間つぶしの娯楽の一部ではない。考えさせ、悩ませ、明日の行動を変えていく指針となるものもある。
特に由貴さんのドラマには「叫んでも聞こえない」「ベトナム難民少女」「愛と悲しみのサハリン」「終の夏かは」
そして今度北海道地区だけで放映するらしい「新十津川物語」など数多くが娯楽ドラマ以外のものだった。
いつかそれらが見直される時がくることを願っている。