桐谷美玲の今後

三浦翔平というダメ男と熱愛が発覚したことで、なんだ桐谷はその程度の女なのかと価値が暴落。
世界の美しい顔ランキングから外され主演映画は大コケ。人気に陰りが見えた桐谷に世間の目は冷たく、CM本数が激減。
ドラマも映画も主演の話は来なくなり、出れても脇役。アンチからのバッシングもいままで以上に増し、桐谷は人生初の挫折を味わう。

15歳でモデルデビューして歴代最短で表紙を飾り、その後も仕事は増える一方でこれ以上ないくらいに順風満帆な人生だっただけに、
始めての挫折は重くのしかかる。そんな辛い時でも、三浦は心の支えになってくれた。

舞台しか仕事がなく、これから先人気が上がる見通しもない三浦にとって、落ちぶれたとはいえ、
元大スターの桐谷美玲は自分の人生にとっての一つのステータスだと考えていたから。

元々、芸能界に入ったのも、楽して金を稼ぎたい。女にモテたい。有名になっていい女を抱きたい。ブスは帰れ!
という気持ちからで、誰もが羨む有名人と結婚して地元の友達に自慢するのが目標だった。

そんななか、桐谷ゲットはまさに棚からボタモチで、自分の現状を見ても、今後これ以上の女をゲット出来る確率なんてないので、
このチャンスを逃さず結婚までなんとしても持っていきたい気持ちだった。

桐谷にとっても、落ちぶれた自分から離れない三浦はかけがえのない存在で、翌年、子供を授かり結婚する。

しかし三浦は相変わらず舞台しか仕事がなく、桐谷も妊娠から出産からの育児で、働けない時期が続き、家計が圧迫される。

貧乏を経験したことのない桐谷にとって、初めての金銭危機は恐怖でしかなく、三浦に対してもっと仕事をするよう要求をする。
しかし人気のない三浦にとって、金にならない舞台しか仕事はなく、ストレスから酒に溺れる。
毎日夜泣きする子供に対して酔っぱらっては蹴りを入れ、止めに入った桐谷の髪の毛を掴んで大声で怒鳴りながら壁に叩きつけて暴れるようになる。

耐えきれなくなった桐谷は離婚を口にするが、三浦はそれを許さず更なる暴力で押さえつける。

やがて、桐谷は子供を連れて家を出る。

これからは自分の力で子供を育てないといけないと、子供を実家に預けて芸能界復帰を試みるが、簡単には仕事が取れなかった。
自分の中ではたった数年メディアを離れていただけのつもりでも、世間の記憶からは完全に消えていた。
自分がいたポジションもすでに別のタレントが入っており、芸能界復帰が困難であることを悟る。

それでも何か仕事はないかとお願いするが、AVなどのまともではない仕事しかなく、
子供もいるので到底受けることは出来ず、涙に明け暮れる。

2021年 冬
千葉県市原市の山中で、煙の出ている車があると通報が入った。
駆け付けた警察官が窓ガラスを割って中に入ると、子供を抱いて安らかに眠る一人の女性の姿があった。
女性の足元には練炭の燃えカスが広がっていた。

松岡さや紗 享年 32歳