「天神地蔵」の首 折られる 出頭の20代男「蹴った」 福岡
2018年04月18日 13時50分

 福岡市・天神で地域住民から親しまれている「天神地蔵」が壊されていたことが18日、分かった。福岡中央署によると、11日午前1時40分ごろ
「お地蔵さんを蹴ったところ頭の部分が取れた」と福岡県内の20代の男から通報があり、その後、出頭したという。署は器物損壊の疑いで調べており、
書類送検する方針。

 署によると、男は当時、酔っぱらっていたといい、「むしゃくしゃして蹴ってしまった。大変申し訳ございません。弁償します」と反省しているという。

 天神地蔵は、1979年9月23日未明、暴走族の取り締まり中にバイクにはねられ殉職した福岡中央署の交通課巡査だった田中政義さん=当時
(28)、死亡後に警部補=を慰霊するため福岡市・天神のビル前に建てられた。地域住民が帽子をかぶせたり、雨の日にはかっぱを着せたりして
世話をしている。

 天神2丁目の1、3区の町内会長を務める藤木敏一さん(68)は「地域で大切にしており、とても残念。早く元の場所に戻って、街を見守ってもらい
たい」と肩を落とす。壊れた地蔵は署内に保管されており、森脇正志副署長は「地蔵のことは若い頃から先輩に聞いていた。警察官や住民の思いが
こもった地蔵なので、元の形で戻したい」と話している。

=2018/04/18付 西日本新聞夕刊=

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/409503/