不法埋め立て、市もお手上げ 福岡・春日の産廃投棄地 「環境改善」協定を盾に
2018年04月20日11時48分 (更新 04月20日 13時36分)

 福岡市のベッドタウンとして人口が増え続ける福岡県春日市。新興住宅街に隣接する山林で「私有地が不法に埋め立てられている」という情報が
寄せられた。市も黙認状態という。背景を追うと、1枚の「協定書」を都合よく解釈する開発業者と、業者を指導できない行政の姿が浮かび上がった。

 ヘリで上空から市街地を見下ろしながら進むと、木々が伐採され地面がむき出しになった山が現れた。ゴルフ場らしきものも見える。場所は同市
上白水。すぐ横に住宅地や商業地も広がる。地上に降り、地権者という男性数人に案内してもらった。

 山肌はえぐれ、土砂が高く盛られた場所もある。男性は「元の地面より数メートルも高くなった。どこが自分の土地か分からない」。別の地権者は
小屋を残し、周囲を埋め立てられた。小屋内には雨で土砂が流れ込み、置いていた農機具も使えなくなったという。

 工事を進めているのは、この山林にコースがあるゴルフ場「九州カンツリー倶楽部」の経営会社。取材に応じた同倶楽部会長の男性は「市からも
地権者からも許可を得ている」と話し、違法性を全面否定した。どういうことなのか。