暴走族・旧車會26%減少、福岡県警の硬軟対策奏功
2018年04月14日

 福岡県内の暴走族や、OBらでつくる「旧車會」の構成員は昨年末現在、計863人で5年前に比べて2割強減少したことが、県警のまとめでわかった。
摘発だけではなく、構成員の自宅に出向いての説得活動など“硬軟”を織り交ぜた地道な対策が奏功したとしている。

 「迷惑をかけて申し訳ない」。博多署(福岡市博多区)の会議室で2月、旧車會のメンバーたちが、そう言いながら、署長らにグループの解散を宣言した。

 メンバーのうち3人が昨年、大野城市の国道で乗用車のタイヤを滑らせ、方向転換するドリフト走行をしたとして道交法違反(共同危険行為)容疑で
摘発された。メンバーは20〜30歳代の約20人。摘発を機に警察官が説得し、解散を決意したという。

 県警交通指導課によると、暴走族と旧車會の構成員数は計863人(暴走族435人、旧車會428人)で、2012年の1171人から26%減った。暴走族
が毎年、450人前後で推移しているのに対し、旧車會は減り続けている。暴走行為に関する市民らから警察への通報も、12年の8448件から17年には
3643件と半分以下にまで減った。

 背景には摘発の強化がある。旧車會はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて集合する傾向があるため、県警はこまめにチェックを
重ねた。情報があればカメラを搭載した車両を出動させ、警戒に当たっている。昨年の道交法違反(共同危険行為)での摘発数は21件118人で全国
最多だったという。

 一方で、県警は少年の相談支援を年間約1000件実施している。警察官が自宅や職場に出向き、暴走族に所属する少年やOBの相談に乗り、脱退を
促しているという。学校では、中高生を対象に「加入阻止教室」を開き、「人に迷惑をかける暴走行為は格好悪い」などと呼びかけている。

 ただ、暴走族と旧車會の構成員数の総計は全国でも上位に入るといい、同課は「『暴走族は、流行らない』という意識付けが大事。粘り強く働きかけたい」
としている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20180414-OYS1T50009.html