「原発事故を問う」の著者

そもそも、著者の七沢氏は、1986年のチェルノブイリ事故以降、NHKディレクターとして
数々の原発をテーマにした番組をつくってきた人物だ。番組は好評価を受け、賞も受賞したが、
しかし、局内での評価はそれとは違ったものだった。

当時、NHKには電力会社の幹部が経営委員にいたこともあり、上司からは
「原発番組ばかり作らないほうがいい」と忠告され、その後、七沢氏は関連会社に飛ばされてしまう。
だが、そこでも七沢氏は原発関連番組をつくり続け、2003年に放送されたNHKスペシャル
『東海村臨界事故への道』を制作、事故の安全審査をした科学技術庁にも重大な責任があったとこと指摘した。
ところが、その際も編集段階で報道局科学文化部の記者から「放送すべきではない」と
あからさまな攻撃を受け、同年に放送文化研究所に“さらに追放”されてしまう。