ベルリンのクアフュルステンダムでは国会選挙の直後ユダヤ人に対する嫌がらせがあり,
3 月9 日には流血沙汰にまでなった。
中部の都市ケムニッツでも3 月9 日に突撃隊と鉄兜団が裁判所の占拠やユダヤ人官吏に
対する辞職の強要を開始し,ユダヤ人が保護拘禁されるにいたった。類似の行動はドイツ
全土で繰り返された。なかでもブレスラウの無法行為は常軌を逸脱したもので,地元の警
察署長が陣頭指揮をとって占拠した裁判所が3 月12 日に休廷に追い込まれた。このほか3
月上旬には,グライヴィッツ,ベルリン,ゲルリッツから反ユダヤ行動が伝えられている。
いずれの場合にも「興奮した群衆」が,ユダヤ人裁判官や弁護士が関係している審理中の
裁判に押しかけ,これを審理停止に追いやったのだった。