「社会ファシズム論」とナチスとの共闘
共産党は、ナチ党と社民党を同類としながらも主敵は権力を握る社民党に定めていた。
ナチ党については、共産党がその気になればいつでも腕づくで始末できる小物に過ぎ
ないと見下しており、彼らへの対策は「ファシストは、出会いしだい殴り倒せ!」
という街頭闘争スローガンだけで十分と判断されていた。

のみならず、共産党は社民党に対する闘争の範囲内においては、
ナチ党との共闘も厭わなかった。
1931年夏には所謂「国民反対派」(ナチ党、国家人民党、鉄兜団など)
がプロイセン州の社民党政権の打倒を狙ってプロイセン州議会解散を
求める国民請願を開始したが、
共産党も彼らと統一戦線を張って請願運動に参加している。
議会内においても共産党議員団はしばしばナチス議員団と共同戦線を張った。