もう一点だけ触れると、本書の「パース」に関する説明は、一般的な技法書ではカバーされていない(
と、管見の限りでは思う)、「不正確だが、絵として気持ちよく見えるパース」を極めて論理的に示したもの。
小耳に挟んだところによると、アニメ業界で長年活躍する超実力派演出家が、本書の元になった連載時の内容を
読んで「アニメの作画をする上で必要なパースの知識は、田中さんが全部説明している」というような感想を述
べていたとのこと。詳細はぜひ、本書を手にとって、その目で確認してほしい。

本書がバカ売れし、その知識が広く共有されたならば、アニメを巡る言葉は極めて豊かになるだろう。そんな未
来が訪れることを、強く、強く願うばかりである。いや、マジで。

……さて、ガラッと話題を変えて、作品紹介もひとつ。4月5日から2週間限定で劇場公開されるオリジナル
アニメ「LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-」。これ、(こういっては微妙に失礼だが)ちょっとした掘り出しもの。
逆異世界転生……というか、ファンタジー世界から現代の京都にやってきた勇者たちが繰り広げる、ドタバタな
日常の騒ぎを描く60分強の小品で、この短尺の中で、5人のヒロインそれぞれがどんなキャラクターかを
印象づけ、その関係性を軸に、笑いあり、アクションあり、そしてほんのちょっぴり涙ありのエンタメストーリーを展開してみせる。

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