「色づく世界の明日から」石原夏織と本渡楓の役づくり 演じるというより素直に感じた気持ちで

P.A.WORKSと篠原俊哉監督によるオリジナルテレビアニメ「色づく世界の明日から」。物語は、魔法使
い一族の末えいで色覚をなくした月白瞳美が、祖母・月白琥珀の魔法で2018年の長崎に送り出されるところ
からはじまる。瞳美は、この時代で自分と同い年の17歳の姿をした琥珀、絵を描くのが好きな少年・葵唯翔ら
と出会い、自らの“色”を取り戻していく。月白瞳美役の石原夏織(写真左)と月白琥珀役の本渡楓に、オリジ
ナル作品ならではの役との向き合い方を聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)

――本作には原作がないため、キャラクターの絵やシナリオなどで、はじめて作品に触れたと思います。最初の
印象はいかがでしたか。

石原:オーディションの段階で、キャラクターの絵と世界観をざっくりと説明した文章にふれたときからとても
惹かれて、「素敵な世界だけれど、すごく切なくてリアルなのだろうな」と感じました。この世界に関われたら
いいなと思いながらオーディションをうけていたので、役が決まったときはうれしかったです。

本渡:私も最初に資料をいただいたときからワクワク感があって、きっと真面目に人間関係を描くタイプの作品
なのだろうなと感じていました。コメディシーンはもちろん楽しくやるけれど、同じぐらい登場人物の人生を深
く掘り下げるのだろうと。そうしたシリアスな作品に携わることが自分の目標のひとつだったので、琥珀を演じ
ることができたら、きっと楽しい勉強の日々が味わえるのではないかと思ったのを覚えています。

――1話は瞳美を中心に話が進んでいきます。どのように役にアプローチされていったのでしょうか。

石原:オーディションのとき、自分としてはかなり抑えていたのですが、そこからさらに「自分の常識がくつが
えるぐらい抑えていい」「演じるというより、素直に感じた気持ちでやってほしい」とのアドバイスをいただき
ました。どこまでアニメで描かれるかは分かりませんが、瞳美の生い立ちなども聞いて、昔の自分を思い出しな
がら取り組んでいます。