美術スタッフが選ぶ、珠玉の美術ボードを公開!

それでは、お二方が『ばけーしょん』で特に見てもらいたいシーンを選ぶとすると、一体どの場面になるのだろうか。
以下、赤坂氏は思い入れのあるカットとして4カット、綱頭氏は本作を象徴するイメージとして1カットを挙げた。

こちらは「建物の色味は少し彩度を上げてという監督からの指示があったのでそれを踏まえ、劇場版ということもあって
ディティールを上げて描かせていただいた最初のカット」として赤坂氏が選出。
「本編では何気ないシーンですがこのカットの背景作業から始まったので、その時のこれから始まるワクワクした気持ち
とちょっと不安な気持ちとで作業に取り組んでいた」ことを、今見ても思い出すという。

こちらは竹富島「宿屋・にいざと」に」心がけながら描いたという。
「いつもの田舎の風景との差を出すために、空も木々も青々しく、特徴的な屋根はとても鮮やかに、日差しを
受けて反射する地面など、沖縄シーンのベースになった」ことも明かした。

また綱頭氏も「主人公達が島に遊びに来て『ここに泊まるのか!』とワクワクしながら見る場所だから」として
このカットを挙げた。「象徴的なイメージ」ということで、「良いなぁ、ここに泊まりたいなと思って貰える様に描いたつも
りです」と思いを述べた。

こちらは、マングローブの川から岸に上がり、たどり着いた先のピナイサーラの滝。実際にある場所で「最初、
第2弾のキービジュアルで作業に入りました」とのこと。
この仕上がりに至るまでには「崖を実際の暗めの色に近づけて、もっと湿気の含むような滝つぼに…と考えては
いたのですが、のんのんびよりという世界の中でこの子達からの目線で考えた時に、実際の崖色で描いてしまう
と『怖い』と思ってしまうのではと思い直し、キービジュアルのように明るい感じで落ち着きました」と試行錯誤もあったという。