【Dlife】グッド・ワイフ part2【ネタバレ禁止】
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【キャスト】
アリシア・フロリック 演:ジュリアナ・マルグリース/声:野沢 由香里
ダイアン・ロックハート 演:クリスティーン・バランスキー/声:小宮 和枝
ウィル・ガードナー 演:ジョシュ・チャールズ/声:田中 明生
カリンダ・シャルマ 演:アーチー・パンジャビ/声:米倉 紀之子
ケイリー・アゴス 演:マット・ズークリー/声:茶花 健太
【放送日】
吹替/月曜日 21:00〜
字幕/日曜日深夜 25:00〜(月曜日 1:00〜)
Dlife公式サイト
http://dlife.disney.co.jp/program/drama/thegoodwife_s1.html 当時は熱愛中だったドナとカリンダ。
しかし今から4カ月前に別れがあったようです。
ドナはカリンダが自分を捨てたのは、
彼女がアリシアに恋したからだと考えています。
ドナ「彼女(=アリシア)はあなたのタイプじゃない」
カリンダ「何か勘違いしてない?」
カリンダは否定していましたが、実際のところはどうなのでしょう。
ドナを演じている女優さんはリリー・テイラーといいます。
ドラマ『シックス・フィート・アンダー』(2001〜2005年)の
リサ役が高い評価を得た女優さんです。
リサは葬儀社を営むフィッシャー家の長男ネイトの妻で、
幼い娘マヤを残して自殺してしまう役どころでした。
このリサ役でリリー・テイラーはエ
ミー賞のゲスト女優賞の候補になっています。
『シックス・フィート・アンダー』は
日本ではCSチャンネルで放送されたことがあります。
私も大好きなドラマのひとつでした。
今回のドナの吹き替えの声は
『シックス・フィート・アンダー』日本語吹き替え版のリサの声と同じく、
よの ひかりさんでした。
■裁判はなぜ3500万ドルで決着したのか
さて、ここからはアリシアがケニングに“してやられた”経緯を
整理してみましょう。
製薬会社を訴えた今回の裁判は、
ロックハート/ガードナー弁護士事務所側の勝利に終わったかに見えました。
しかしその祝勝パーティーを開いている事務所へやってきたケニングは、
華やいだ雰囲気に一気に冷や水を浴びせかけるような
驚くべき事実をアリシアに告げるのです。 この訴訟で製薬会社側はそもそも9000万ドルの賠償金の可能性を
懸念していてそれを5000万ドルまで下げたいと考えていたこと、
しかしケニングの努力のおかげで3500万ドルという
破格の安さで決着できたこと、この結果に会社側は大いに満足で、
ケニングにボーナス150万ドルと会社の株を
安く手にいれる権利を与えてくれたこと…。
ケニングはロックハート/ガードナー側が和解金の目標額を
3000万ドルから4000万ドルの間に置いていることを
裁判が始まる前から知っていたのです。
ロックハート/ガードナー側は実際に和解の席で
4000万ドルという数字を出します。ダイアンは、ケニングが
1000万ドルにまで下げてくるのではないかと思っていましたが、
ケニングからの逆提示の金額が3000万ドルだったと驚いていました。
ですがそれもすべてケニングの計算のうちです。ダイアンが最低でも
3000万ドルなら和解に応じると踏んでいたのですから。そして最終的に
両者は間をとって3500万ドルという金額で決着したわけです。
では、ケニングはどうやってロックハート/ガードナー側の
和解金の目標額を知ったのでしょう。
ドラマをつぶさに見ていた人ならお気づきでしょう。
ダイアンは陪審の予備尋問のために向かった裁判所の前で
アリシアに次のように言っていました。
ダイアン「ねえ、自信持って。3000万から4000万ドルに持ち込めば
事務所も持ち直せる」 この発言をニューヨークからやってきたケニングは、
裁判所前で営業中のコーヒー・スタンドのところで
たまたま立ち聞きしたのです。つまり、5000万ドルで決着したいと
製薬会社側に言われていたケニングはこの瞬間、
ダイアンが4000万ドルで十分だと考えていることを
知ったことになります。ですからケニングは最初から
裁判で決着をつけなくても良いと考えていたのです。
法廷闘争は適当に努力して、もし運よく勝つことができたら
賠償金は支払わずに済むし、
負けそうな気配を感じたらただちに和解に持ち込んで、
4000万ドル以下で手をうてばよい。そんな戦略を立てたはずです。
ケニングにしてみればこれほど気楽な弁護活動はありません。
なにしろクライアントの製薬会社が満足しない結果には
絶対にならないことが最初から分かっているのですから。
「負けたんじゃない。でも面白かったよ。また近いうちに法廷でやり合おう」
アリシアに向かって最後にそう憎々しげに語るケニング。
ではなぜダイアンは不用意にも和解金の額を裁判所の前で
あのときしゃべってしまったのでしょう。
物語の冒頭で、製薬会社側の弁護士が突然交代して
新しい弁護士がニューヨークからやってくることになったと
ダイアンが言っていました。ですからダイアンもアリシアも、
会ったことのないよそ者のケニングの顔を知らなかったのです。
そのために二人は立ち聞きされていることに気づきませんでした。 私たち視聴者はマイケル・J・フォックスの顔をもちろん知っています。
パーキンソン病と闘っているというニュースが報じられてから
俳優活動は以前に比べて目立たなくなりましたが、
それでもなにしろあの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の
マイケルJ・フォックスなのです。私たちは画面の左隅の
コーヒー・スタンドの脇に彼が小さく立っている
ほんの一瞬のファースト・ショットも見逃すことがありません。
しかし『グッド・ワイフ』の世界の住人ダイアンとアリシアは
ケニングを知りません。
視聴者とダイアンたちの間にあるこの情報格差も
今回のドラマを楽しむための隠し味のひとつであり、
【製薬会社が弁護士を解雇して、代わりの弁護士が
ニューヨークからやって来ることになった】という、
一見まわりくどくて必然性がないような設定が最初に必要だったのです。
この設定は以前このスタッフ・ブログでご紹介した
「チェーホフの銃」>>495 の一種だといえます。
こんな具合に『グッド・ワイフ』のストーリーは、
一分(いちぶ)の無駄もない、緻密な計算の上に組み立てられています。
まばたきする時間も惜しいほどすぐれたドラマだと言えます。
この先も、「抜け目のない(canny)」弁護士「ケニング(Canning)」は、
アリシアたちをたびたび苦しめることになります。
両者の今後の対決をぜひ楽しみにしていてください。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています