■知られざる世界権力の仕組み 寄生体シンジケートが富と権力を握る 1992年出版(著者)ユースタス・マリンズ■

●第九章 世界権力という寄生体の覇権は継続しない

P334 ★世界権力が用いる単純な支配のテクニックは「分割して統治せよ」

世界権力が支配に用いるのは一つの単純なテクニック、すなわち「分割して、統治せよ」である。
人と人のあいだにある自然な断絶、あるいは不自然な断絶のことごとくが、そして憎悪と貪欲をあおるあらゆる機会が利用され、極限にまで増幅される。
合衆国における人種・民族間の分極化は、洪水のように次々に出される政府の命令によって加速されている。

その命令は、ひたすらアメリカ人とアメリカ人とを反目させることを目的とした財団の「研究」に源を発しているのだ。
ただこうした方法によってのみ、世界権力は人々の日々の生活に対する鉄の支配を維持することができるのである。

また、世界権力による支配は『1984年』〔ジョージ・オーウェルの小説〕に書かれている原則によって遂行されている。
すなわち「二人あるいはそれ以上の人数からなる団体は、世界権力が代表を出席させない場合は、集会を開いてはならない」という原則である。

もし「タンポポ栽培同好会」を発足させたら、世界権力はそこにもだれか代理人を送り込んでくる。
その代理人は、裏方として黙々として世話を焼き、目立つような地位に就くことは避ける。
そして、集会場所の借り賃や議事録の印刷費の支払いは、自分から買って出る。

もっと急進的な団体では、世界権力によって送り込まれた代表が、ビルの爆破や高官の暗殺などといった過激な行動を真っ先に提案する。
共産党の国際テロリズムの発祥の源は、パリにあったドイツ人とフランス人の労働者たちのほんの小さなクラブだった。
カール・マルクスが加わるまでこのクラブは、もっぱら静かに読書や討論を行うだけの場であった。
カール・マルクスの参加を機に、クラブは革命団体に変貌したのである。

この一例からもわかるように、いかなる団体といえども世界権力の監視の目を免れることは断じて許さない、と世界権力は決意しているのである。
たとえいかに取るに足らない団体であっても、世界権力の監視の目を逃れることは許されないのだ。