「まずお前らやれよ」と思いますし、それが普通ですよね。
でも日本人はなぜか自分たちのことになってしまうと、「俺たちは行きたくないけれど、アメリカは必ず来てくれるのだ」となる、という話なのですよね。
日米安保条約第5条を読んだことある方おられますか。
一度読んでみてください。非常に短い文です。

有事のときは、それぞれの両国が両国内の憲法手続きによって対処するとしか書いていません。
それが第5条です。日米両国がそれぞれの国の憲法手続きにおいて適切に対処する、しか書いてないのです。
ということは、アメリカ国内で議会がNOと言えばNOなのです。

私は、日本語もベラベラで有名な元国務相の日本担当の日本部長だった方、その方に少し話を聞いたことがあります。
ある保守系の番組でその方にインタビューしまして、「尖閣有事のときにアメリカは本当に来るのですか」と聞きました。

そうしたら彼は「間違いなく来る」と言うのです。
民間人の立場なので、それで民間人の立場だよとは言い訳ができるのですが、彼は元国務省のお偉いさんでいらしたわけです。
彼は「来る」と言いました。それで「安保第5条というのは、それぞれの憲法手続きに従ってとしか書いていないのですよね。

自動的になんてどこにも書いてないですよ」という話をしたのですよ。
そうしたら、「それはそうだけれど実際は違うのだ。アメリカは大統領命令で、一発で軍を出せるのだ、だからやるのだ。
日本を見捨てることはない」と言うのです。

1年ちょっと前ですが、私は今でも覚えています。
アメリカの政府高官というのは、こうやって日本人を手玉に取ってきたのだなと思ったのですね。

「絶対行ってやるから」、でもいざ始まったら「議会がこう言っているのだよ」で逃げるわけです。
そもそも大統領命令でできるのはおそらく反撃までですよね。
私の理解が間違ってるかもしれませんが、米軍とかアメリカの施設でやられたときに反撃はできるわけです。

ここはアメリカ軍の施設もなければ、アメリカ人も住んでいない、アメリカの領土でもないところなのですよ。
そこに大統領命令で、「あそこを取られたから」と言って行くわけがないではないですか。
日米安保条約には、自動的に参戦するなんてどこにも書いてないのです。
でもアーミテージも言うし、歴代大統領も「守ってやるから心配するな」と言う、何かヤクザみたいですよね。

その代わりアメリカ国債をもっと買ってね、お前の予算も増やしてね、というのはみかじめ料を取られているような気分です。
本当に来てくれるのでしょうか。みかじめ料を払っていれば、おそらく日本のヤクザは来てくれますよね。
酔っ払いの客がいたら、昔の駅前の飲み屋であれば、「ちょっとお兄さん暴れてるお客さんがいるんだよ」って言えば来てくれますよ。

でも、アメリカは来てくれるのかなと本当に思うのです。
本当これは不思議です。何でこんなことを大勢の日本人が信じてしまえるのだろうか、ということなのです。
それはメディアがそう言ってるからなのです。

われわれのこういう意見を言っているところはほとんどありませんし、われわれも日常の仕事で忙しいので日米安保第5条なんて、
そんなものはいちいち引っ張り出して読まないですよ。
でもメディアが言ってくれればそうかと思うのに、メディアはなぜかそれを言ってくれないのです。