■日本を操る「隠された支配構造」■<著者>丸谷元人 国際派ジャーナリスト・危機管理コンサルタント
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☆「北朝鮮は永久に不滅?」東アジアの火種を消したくない超大国の思惑☆
そして、先ほどのナベツネさんの巨人軍ではありませんが、北朝鮮は永遠に不滅です、ということを私は言いたいところがございます。

第3次アーミテージレポート、親日派、知日派のアーミテージさんです。
この親日派、知日派というものの定義を、私はいつか聞いてみたいと思うのです。
何をもって親日というのか、何をもって、知日はあるかもしれません、知日はおそらくあるでしょう。

そういえばキッシンジャーも知日です。
日本は部族的な根性、視野しか持っていないと言われます。
残念ながらわれわれは、異論のある方もあるかもしれませんが、私はそうかもしれません。
だってこういうものの社会というのは、特に戦後の日本は、物事の背景は全然見えていなかったわけです。

江戸時代の日本であれば、まだオランダと交易して、いろいろ海外の情報を入れていました。
私は新井白石が書いた西洋何とかという本を読んでいます。
イタリア人の宣教師と新井白石のやりとりを読んでいるのですけれども、非常にインテレクチュアルなレベルの高いやりとりをしているのです。

やはりそれだけ新井白石は優れた人だったのだなと思うのですが、当時と比べても、もしかしたら今のわれわれ、
戦後の日本人の方が視野狭窄なのかもしれないと思います。
そういう日本人はメディアをコントロールしている側からしたらそうですよね。
そうなると知日派と言われている人はそういう日本人の、戦後の日本人の痛いところがよく分かっているという意味では知日かもしれません。

ただ親日派かどうかは別です。このアーミテージレポートは、北朝鮮との核協議が行き詰まる中、
戦略環境をつくり直すために人権問題に焦点を合わせましょうと言うのです。これは甘いですよね。
イランに対してもあれだけやってきて、それで、もう本当にイスラエルを使って空襲しようまで言っていたのに、北朝鮮になると途端に甘くなってしまうのです。

解決策としては人権の概念を食糧確保、災害救助、公衆衛生うんぬんまで広げて日、米、韓が包括的な解決に乗り出さな
ければいけないという、よく分からないような話をしているわけです。
相手は核を作っています。ミサイルをボンボン打っています。
そのミサイル技術がどこから来たのか、核技術がどこから、誰が仕込んだのかは別に置いておいても非常にこういう甘いことしか言わないのです。

北朝鮮に触りたくないのです。
日本の軍事評論家の方に「何で北朝鮮に攻撃しないんですか」と聞くと「北朝鮮は高い山もあって深い谷もあって、
そこに歩兵が入っていくと大変なことになるのだ」なんてしたり顔で言うのです。

ではなぜ、イラクでうまくいったのかと、アフガンでうまくいったのかとなります。
アフガンは高い山もたくさんありますし大変な所ですが、アメリカは行ったではないですか。
イラクはあんなにだだっ広い砂漠ですけれども行けると思ったはずなのに、アメリカはいまだにずっとてこずっていました。