どうかハジメどのがまたいつもの様に戻れますよう…
見守ることしかできぬ我を許し給え…だが、今日だけは見逃してもらえぬだろうか…
降臨が始まれば我は言の葉を発することを控える、ハジメ殿の言葉を真剣に受け止めねばならぬ故…
この様な場に我が来ることは本来許されぬことだ…降臨の邪魔にしかならぬからな…
我の言動を嫌うものも多い…それに、この様な大切な場を乱したくはないのだ…
一番不安に思っておるのはハジメ殿だ…どうか、場が乱れることなく、清らかであらんことを…
その様なことも行わぬつもりだ…いらぬ火の粉になってはハジメ殿に迷惑がかかる…
普段通りの降臨であれば、我も節度を守り、言動をしておる…つもりではある…
しかし此度だけはハジメ殿の言葉を船長すべき日であるからな…
滲み出す混濁の紋章…不遜なる狂気の器…
湧き上がり・否定し…痺れ・瞬き…眠りを妨げる…
爬行する鉄の王女…絶えず自壊する泥の人形…結合せよ…反発せよ
地に満ち…己の無力を知れ
破道の九十 「黒棺」