ドラッグストア大手のココカラファインは、マツモトキヨシホールディングス(HD)との経営統合に向けた協議に入る方針を固めた。
スギHDからも経営統合を打診されていたが、ココカラが設けた特別委員会はマツキヨHDの提案を支持。ココカラの取締役会でも検討し、マツキヨHDと組む方が相乗効果が大きいと判断した。
両社の統合が実現すれば、売上高1兆円規模となりドラッグストア業界で国内首位に立つ。

ドラッグストア市場は成長が続いているが、店舗間の競争が激化している。今後は大手同士の再編が加速しそうだ。

ココカラが6月設置した特別委は、マツキヨHDとスギHD双方の提案を検証しながら、どちらとの連携がより相乗効果を生み出すかなどについて検討を重ねてきた。
特別委は商品政策や出店地域、組織体制などを総合的に評価して、マツキヨHDとの連携による効果が大きいと判断した。
ココカラは特別委からの報告を受け、マツキヨHDの商品力などを評価したとみられる。

マツキヨHDはココカラに対し、資本提携と経営統合と2つの案を打診していたが、ココカラは経営統合を前提に協議を進める。統合の時期や形態などの詳細は今後の交渉で詰める。

2018年度の売上高は業界7位のココカラが4005億円、5位のマツキヨHDは5759億円だった。単純合計で9764億円となり、首位ツルハHD(7824億円)を上回る。

ココカラとマツキヨHDは4月26日に、資本業務提携に関する協議開始を発表した。これに対抗する形で業界6位のスギHDも翌27日付で経営統合案をココカラに送付し、6月1日に両社が協議入りを発表した。
スギHDの動きを受け、マツキヨHDも経営統合を選択肢に入れると6月5日に表明した。ココカラは両社からの提案を客観的に検討するため、社外の有識者らによる特別委を設けた。

ココカラは08年に関東地盤のセイジョーと関西のセガミメディクスが統合して発足した。「ココカラファイン」「くすりセイジョー」「ドラッグセガミ」などの看板で1354店(3月末時点)を展開する。

一方、1932年創業のマツキヨHDは都市部を中心に「マツモトキヨシ」「どらっぐぱぱす」など1654店(3月末時点)をもつ。

マツキヨHDは16年度、22年ぶりに売上高首位の座を他社に譲った。一方で出店を抑え利益重視の経営を進め、18年度の営業利益率は業界大手でトップの6.3%と10年で2.5ポイント引き上げた。

国内のドラッグストアは18年度に2万店を超えたもようで、飽和感も指摘されている。ココカラの18年度の既存店売上高は前の年度比で減少し、19年度も7月まで苦戦している。
業界では従来の成長モデルに限界も見え始めており、マツキヨHDやココカラ以外にもM&A(合併・買収)に動く大手が出てくる可能性がある。