>>923
スマートフォンからHDMI出力するアダプターの情報はたいてい複雑怪奇になりますよね。
原因はスマートフォンの世代によるHDMI出力の目まぐるしい変化(特にAndroid勢)のせいですね。
昔の色々なメーカーがまだあったAndroid黎明期にHDMIに対応したスマートフォンは、
miniHDMIポートなどを独自実装していました。
これはスマートフォン内部に変換アダプタ内蔵やビデオカード内蔵に匹敵する力技による強引な対応です。
まだスマートフォンに使用されるSoC(CPUとか様々なチップが一つになったもの)が
標準ではHDMIの外部出力に対応していなかったのでメーカーは独自で頑張りました。
またメーカーにとってはアピールポイントにもなりました。第一世代です。
しかし給電端子や接続端子のメインであるUSBとは別にHDMI端子を設けるのは
それがminiHDMi端子やmicroHDMI端子でもスマートフォンの小型化や省電力の点で不便です。
そこで次の世代としてUSB端子からHDMI出力ができる共通規格として
各メーカーが協力してHDMI(MHL)が生まれました。第二世代です。
HDMI(MHL)は一時期はかなり普及しましたが
メーカーがHDMIのライセンス料を払う必要があるのは第一世代と変わらないので
安い価格のスマートフォンはHDMI(MHL)に対応しないデコボコ状態が発生しました。
消費者から見れば一見同じに見えるUSBポート(当時はMicroUSBが主流)なのに
MHL用USB-HDMI変換アダプタを買ってきても映像が出力されないなどカオスでした。
そして遂にはメーカーがライセンス料を払うこと嫌って
ハイエンド機種にすら採用されなくなっていきHDMI(MHL)は衰退しました。
一時期はハイエンド機種ですら有線接続によるHDMI接続ができない世代が生まれました(GalaxyS7など)
そして重い腰を上げてついにスマートフォンの中核であるSoCメーカーが対応することになりました。
これが現行世代です。(GalaxyS8以降など)
現行世代の特徴としてはUSB typeCポートの中をDisplayPortの映像信号を流すという方式です。
DisplayPort Alternate Modeとも言います。
HDMIと違いDisplayPortはライセンス料を支払う必要がありません。
ライセンス料はUSB(中身はDisplayPort)-HDMI変換アダプタの製造メーカーが支払うことになります。
(つまり変換アダプタが必要な人が必要なだけ払っているとも言えます)
スマートフォンの製造メーカーはライセンス料を払う必要がなくなったのと、
SoC自体が対応するようになったので気にする必要がなくなりました。
ただし、スマートフォンの解像度が上がって
変換アダプタにもアクティブ変換タイプというものが必要なものが出現しました。
従来型の安価なパッシブ変換アダプタでは対応できない機種も出現してきました。