英国の国立サイバーセキュリティセンター(NCSC)は、5G網にHUAWEI製品を使用した場合に発生するリスクを
制御できると結論付けたと、英FTがNCSCの決定に詳しい関係者からの話として報じています。

また、元GCHQ(英国諜報機関)のトップであるRobert Hannigan氏は、「HUAWEIを通じて中国政府のサイバー活動が
行われた形跡は見つかっていない」、「中国の技術を5Gネットワークに使用するのは、許容できないリスクがあるとの
主張はナンセンスだ」としています。

なお、英国では2010年にHUAWEI英国法人内に英国政府と共同でファーウェイ・サイバーセキュリティ評価センター
(HCSEC)を設置。また、NCSC内にもHCSECの監査委員会を設置するなどの活動を行っています。これは以前から
HUAWEIを疑っていたわけではなく、同社の製品がサイバーセキュリティ上の脅威に耐えうる品質を備えっていること
を検証するためとのことです。

この活動に基づき、2018年7月には、HUAWEI製品に製造上の欠陥が見つかり、英国の通信インフラにおける新たな
リスクになりうるとの報告を行っています。ただし、この時もHUAWEIの関与による国家安全保障へのリスクは十分に
減じられているとの立場をとっていました。

今回の英国の決定は、欧州諸国でのHUAWEI製品への扱いに関して、なんらかの影響を与える可能性もありそうです。
また、通信業界団体であるGSMAも、ネットワークセキュリティに関して事実ベース・リスクベースでのアプローチが必要
であり、ネットワークの様々なセグメントでの機器供給を妨げる行為をすべきではないとの発表を行っています。