◆必要なのは、中居正広レベルの優秀なプロデューサー
スーパースターとして崇められる木村拓哉がユーモラスな雰囲気を纏う上で最大の関門は、“自虐ネタ”を持たないことだ。
昔から演技力はある木村の場合、求められる“役”を演じることは得意だった。
SMAP5人の時、とりわけバラエティのMCでは、演出家としての役割を担っていたのは、他でもない中居である。
この年始の“出来杉くん”な木村を見るにつけ、中居は、さり気ないやり取りの中で、巧みに木村のカッコよさと可愛さを
引き出していたのだなぁと改めて気付かされる。
中居が、「こんな木村が見たいんだよ!」という要求を含んだ巧みなパス回しをして、最後に木村がシュートを決める。
その「大勢が見たい木村」は、妻である工藤静香よりも、プロデューサーとして手腕を発揮した飯島三智よりも、
誰よりも中居のイメージこそが的確でかつ共感を得やすかったのではないだろうか。
“演技者”木村拓哉がスターの輝きを保ち続けるためには、中居レベルの優秀なプロデューサーが必要なのだ。
『さんタク』で、本来なら“自分大好き自虐の帝王”明石家さんまがその手解きをすべきだったのかもしれないが、
私生活のプロデュースは妻の静香が担当していることもあって、そこにはやはり遠慮が入る。
でも世の中に、なんの問題もない、最高に円満な家庭など存在しないのである。もし木村家がそんな理想の家族なのだとしたら、
むしろそのことは隠すべきだ。
アイドルの私生活がキラキラであるなら、ヲタをその“変身の魔法”にかけることが不可能になってしまう。