テレビは製作費が出ないから長寿番組が次々と終わるそうじゃないか
テレビ東京は最初から予算が潤沢でないというハンデがあるからこそ、企画勝負の番組作りで「無いなりの戦い方」をしています。
しかし元々は予算があり「無いなりの戦い方」をしてこなかったフジテレビがシンプルにタレントを切って局アナにするようなリニューアルをしてしまっては、縮小均衡に向かうしかありません。

先般、動画配信サービスのNetflixのCM企画で明石家さんまが「正直言うと民放さんよりもいい制作費を出していただいて」「自由にできるしね。『Jimmy』っていうドラマ企画も、民放に企画書を出していたらどうやったやろかとか思う感じ」と動画配信サービスの予算の潤沢さ、企画の自由度について語りました。
「地上波に育ててもらった自分としては複雑ながら」という前提付きとはいえ、大物中の大物タレントがこのような発言をする時代です。

制作費と企画力において動画配信サービスと地上波民放テレビの差は広がり、優秀な人材の流出も止まりません。
そして、とくにドラマやバラエティにおいて出演者や質の差が徐々に拡大しています
このように、地上波民放にとってさらに厳しい時代となっていく中、いち早く危機に直面しているフジテレビはどうしていくべきなのでしょうか。
地上波、とくにフジテレビをみて育ったテレビっ子の私としては、経費削減を焦るあまり、四六時中、局アナがグルメレポートをし続ける情報番組ばかりを垂れ流すような道が正解とは思えません。

地上波テレビの特性を見つめ直し、減っていく制作費の中でも貪欲に異なる価値観を取り込んで、文化づくりに挑戦していく。そういう姿勢が必要なのではないでしょうか。