ハゲ「これが・・・・ぼく・・・・・?」

ヨシキは姿見の前に立っていた。その身には通販で購入した女性アニメキャラのコスプレ用衣装が纏われていた。
その姿に見とれるヨシキ。上がるボルテージは股間のセンサーが最大の3cmになる事で最高潮に達している事がわかる。
ご丁寧にも、下着まで女性用のものをみにつけていた。股間の膨らみに対してゆとりをもっていない作りの女性用下着は
3cmの強張りをくっきりと型取り、ヨシキに歪んだ快感を与えていた。

ハゲ「モウガマンデキナイ!!」

そう叫ぶや途端に全裸になり、件のアニメキャラの名前を絶叫しながら自慰にふけるヨシキ。
服を脱いでいるので、姿見に映るのはうすらハゲた醜い男そのものであるのだが、ヨシキの脳ミソは
その事実を都合よく書き換える。そこには自己愛による歪んだ思考も含まれているのであろう
姿見の中に見た己の裸体は、憧れのアニメキャラのあられもない姿だった。

ハゲ「ぼくがあの子であの子がぼくで・・・・・・。にゃぁぁぁぁぁぁぁん!!てんこぉしぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!」

ヨシキのにわかなおっさん知識が炸裂した。粗末なペニスの放水も炸裂した。
己が想像の中で自分とアニメキャラのキャラが融合した【自分であり自分でない】不思議な存在がヨシキの放銃の相手であった。
これまでにも数多くの自慰のテクニックを生み出して来たヨシキ。他者との関わりを極力排除してきた所以の
能力ではあるが、今のところヨシキ以外それを評価する者はいない。

ヨシキのオナニーテクニック。ヨシキの脳内にのみ存在するヨシキの為だけの聖典。
ヨシキが生きている限り、永遠に更新され続けるその記録は、彼以外誰も閲覧はできないが
閲覧できたとしても何かの役にたつ事や、誰かの救いになる事は決してない。

タケヨシキ。彼は今日も世に切り離された自分だけの世界で、その世界だけで通用する
世界的大経典を編纂し続けるのであった。