たしかに、われわれはみな、人格的にも知性の面でも終身の職につくには不適切であるのに、
名ばかりの教育や生まれ、血族関係だけによってそのような地位についているのを、目にしている。
誠実な人間で、そのような状況にいらだたせられない者はいない。
しかしエリート主義には、そのような不公正の是正をはるかに超える意味合いがある。
それは、原子論的な社会観を自明のものとして差し出しているのである。

                     TSエリオット 覚書 第二章階級とエリート集団