才能はたいていの人が持っているんだけど、
才能のあるなしじゃなくて、それを発揮するエネルギーがあるかどうか。


どこか日本の中に深い森があって、そこに入ってはいけなくて、
そこにいろいろな動物がいて、それで散歩道もないんです。
そういう世界が、深い森があるんだよという話が、
親が子供たちに話せるような国ができたらいいなあと、本当に思うんです。


とんでもない才能もっててね、情熱があって、
それで人をちゃんと説得したり、話が通じたり、
コミュニケーションできる能力をもっている。
これがとても大事なことなんです。
コミュニケーションの能力がなくて、才能のある人間はけっこういるんですよね。


次があるとかないとかっていう話はもういいですよ。
それに関しては、天命だと思ってますから。


自分の才能を見極めるっていうのは一番恐ろしいことですから、辛い時もある。
買いかぶるというか、やたらに根拠のない自信を持つ瞬間もある。
その間を揺れ動きながらやるしかない。


つい偉そうに文化人ヅラして「子育ての環境とは」などという発言を
してしまうことがありますが、たいてい誰も聞いていません。
つまり、いくら発言をしてもなんの影響力もないのです。
必要なのは、理念を語ることではなくて実際になにかをやることです。


実写は楽ですからね。
ビールが美味しいでしょ、一日労働するから。
そうするとそれで充実しちゃうんですよ。
どうも実写の人を見てると、そういう感じがするんですよ。

宮崎駿