人生を通してパーフェクトを追求するが、それを手にすることはできない。
手にすることができないことが、むしろ僕はマジカルだと思っているよ。


確かに僕は毎年映画を製作しているけど、
決して急いで製作しているわけではないんだよ。


もしみんながそろって一番気に入った作品とすれば、
仮に自分の気に入った作品ではなく、
ほかの人たちが気に入った作品であっても同意できるし、話し合うこともできる。


傑作が作れるのなら時間をかけるだろうけど、
実際にはそんな簡単なことではないんだ。


ある人がオーウェンを提案してきたとき、僕は
「彼はカリフォルニアのサーファーみたいに落ち着き払っていて、
ビーチのイメージがあるから違う」と言ったんだよ。
ただ、しばらくしてから、彼には才能があって面白いうえに、
良い俳優でもあるじゃないかと思い直したんだ。


彼は非常に博識な人物だ。僕が予想していた人物とは異なっていたよ。
彼はビーチにいるサーファーというよりは、洗練された知識人だね。


多少は俳優と話すこともあるけれど、ほとんどは俳優とは話さないね。


僕は演技力のある俳優を雇って、彼らに(演技を)任せている。
もし彼らが(演技上で)ミスをした場合には、(その演技に対して)より大げさにとか、
より細やかにとか指示することがあるが、大概良い俳優をキャスティングすれば、
その必要もないんだよ。


今年の春にアジアの諸国を訪れて、(撮影の)可能性のある国を探索しようと思っている。
多くの人々がその可能性について僕に話してくれて、それが楽しみだ。


ベストと決定してしまうと、なかなか僕個人は同意できる作品がないんだよ。


日本にも訪れて、ジャズの演奏をしたいと思っているよ。伝統的なジャズが日本では有名だからね。

ウディ・アレン