(自分を一言で説明するとしたら)臆病だね(笑)


これまで訪れたバルセロナ、ローマ、そしてパリすべてが魅力的な都市で、
それぞれの都市からインスピレーションがわいてくるんだよ。


僕はこれまで30作以上もニューヨークで撮影してきたわけだから、
違った環境であれば当然のように刺激を受けるんだ。


パリという都市は究極のアートといえるだろう。
これまで訪れた都市とは全く違った顔を持っている。
見ているだけで目の保養となり、観客は日に照らされたり、
雨の降ったパリの街並みを映画音楽と共に楽しんだりできると思うんだ。
本当に素晴らしい街だと思っているよ!


本来の自分になりなさい。


雨は人を結びつける。家から出られなくなるから、誰かと一緒にいたくなったりする。
恋人たちがいて、ふたりが一緒のときは、いつも雨が降るような映画を撮りたい。


ジャズ・ミュージシャンのルイ・アームストロングに会える機会もあったけれど、
あえて会わなかったよ。僕が偉人たちに会いたくないのは、
彼らも僕らと同じ心配性で欠陥を持っている普通の人々だと気付きたくないからだよ。


(オーウェン・ウィルソンを主役にした経緯は?)完全に偶然の産物といえるだろうね。
僕自身も誰がこの主役に適しているかわかっていなかったんだ。


グルーチョ・マルクスには会ったことがあるけど、
実際に彼に会ったら、それまでの僕が彼に対して抱いていたマジカルな要素が
消滅してしまったんだ。彼を、まるで僕の叔父や家族みたいな
ありふれた存在に感じてしまったんだね。


劇中に登場する偉人たちは、誰もがその習慣や特性を知っている有名人だ。
だから僕らは、単に彼らに似ているだけでなく、
演技もしっかりできる俳優を雇う必要があったんだよ。
偉人たちに似ていて、演技もできる俳優を探し出すのには苦労したし、時間もかかった。

ウディ・アレン