うわべだけの文学は、あたふたと駆け抜けてゆく。


男性の間では、愚かで無知な者が、
女性の間では醜い女が一般に愛され、ちやほやされるのがつねである。


才知に富む人間は、何よりまず苦痛のないように、
痛めつけられることがないように努め、安静と時間の余裕とを求める。


女性の性格には、根本的欠陥として、『不正』ということが見出される。
この欠陥は、理性的な判断や熟慮の乏しさに伴って生ずる。


天才は、神経の活動が圧倒的に強烈になっているため、
苦痛に対する感受性が極度に高まっている。


ゲーテも言っているように、ただ苦しみだけが人をいまよりすぐれた境地に高めてくれる。


人間精神の最高級の業績は、冷淡に迎えられ、長い間冷遇される。
やがて高級な精神の持主が近づいてきて、この功績に共鳴し、声価を顕揚する。


女たちには、ある事物についての純客観的な関心をもつ能力が欠けている。


無知で裕福な者は、快楽のためだけに生き、獣同然の暮らしを送る。
この手の人間は、富と余暇を有意義に使っていない点でも非難されるべき。


凡人の知性が個々の人に奉仕する責任があるのに反し、
天才の知性は人類全体へ奉仕する責任がある。
凡人は三分の二が意志、三分の一が知性から成るのに対し、
天才は三分の二が知性、三分の一が意志から成る。


早くから孤独になじみ、まして孤独を愛するところまできた人は、
金鉱を手に入れたようなものだ。

ショーペンハウエル