すべての人間は、他人の中に鏡を持っている。


多く笑う者は幸福であり、多く泣くものは不幸である。


人生の幸福にとっては、我々のあり方、すなわち人柄こそ、
文句なしに第一の要件であり、最も本質的に重要なものである。


世界は悲惨な者にとってのみ悲惨であり、空虚な者にとってのみ空虚である。


求めていた対象を、はじめに辿った道では見つけえなかったのに、
全く別な道で見つけることも少なくない。


真理はそのままでもっとも美しく、
簡潔に表現されていればいるほど、その与える感銘はいよいよ深い。


名誉は、外に現れた良心であり、良心は、内に潜む名誉である。


永遠は一瞬の中にある。


人間は、自分の頭脳や心を養うためよりも何千倍も多く、
富を得るために心を使っている。
しかし、私達の幸福の為に役立つものは、
疑いもなく人間が外に持っているものよりも、内に持っているものなのだ。


世間普通の人たちは難しい問題の解決にあたって、
熱意と性急のあまり権威ある言葉を引用したがる。
彼らは自分の理解力や洞察力の代わりに他人のものを動員できる場合には心の底から喜びを感ずる。


書物を買い求めるのは結構なことであろう。
ただし、ついでにそれを読む時間も、買い求めることができればである。


自分でおこなった貴重な省察は、できるだけ早く書きとめておくべきである。

ショーペンハウエル