三峡ダムについては、そもそも防災のために作ったのでなく、発電、華北の水不足解消、重慶まで遡上できる船を3000トンから10000トンに上げるために上げるなど多目的があり、中国の経済発展に多大な貢献をした。
汚職で予算が消費されて質が低下していることが発展途上国では多いがそういうことでないということだった。それが、胡錦濤の時代当たり汚職が蔓延して怪しくなっており、だからこそ習近平が引き締めにかかって、その不満のはけ口を対外強硬路線に求めているのだが、中国のインフラの質がそんな悪いとは思えない。
新幹線でいちど崩落事故があったが、ヨーロッパなどでも事故は起きており、中国の新幹線の工事の質がそんな悪いわけでない。
日本の公共事業の質が高いというのも阪神淡路大震災で高速道路や新幹線の橋が落ちて嘘だと世界が知っているところだ。人手不足、資材不足のときに作られて危ないインフラも多い。
ダムについていえば、日本でも安全ではない。三峡ダムを心配するなら宇治市の天ヶ瀬ダムの心配もすべきだろう。あれほど大都市に近いところのダムが老朽化していっているのは心配だ。
もちろん、三峡ダムが安全というわけではない。あれだけのダムとなると、思わぬ落とし穴がないかは当然に心配だし、中国政府もそれはしている。
中国経済についてネガティブな話に日本は飛びついて、大きな流れを見誤ってきた。私は中国経済の将来に相対的には楽観論を半世紀近く言い続けてきているが、悲観論の皆さんがこれだけ長期にわたって誤った見通しを言い続けて平気で、正しい予測をしてきた我々に敬意を払わないのは不思議なことだ。
ただし、中国のインフラや経済について高く評価することは、それを好意的にみることとには、つながらない。中国経済楽観論は、巨大化する中国へ正しい警戒をすることでもある。