「ガスライティング」――ブラック企業が社員を辞めさせる手口

会社が社員を辞めさせるためには、どのような方法があるか。日本の労働法は解雇規制が
厳しく、安易に解雇すれば会社が訴えられるリスクが高い。裁判で負ければ
「ブラック企業」のレッテルが貼られ、広く知られてしまう。
そこで、退職勧奨をしても自発的に辞めない場合、加害者が分からないような
「間接的な嫌がらせ」をして退職に追い込む例が実際に存在するという。
その手口は「ガスライティング」と呼ばれている。

郵便物を荒らし、集団ストーカーで不安に追い込む

「ガスライティングの手法で社員を追い詰め、辞めさせる方法は、大手企業で密かに
行われているのは事実です。ガスライティングに加担した社員に接触し、確認しているので
間違いありません」
そう語るのは、ブラック企業アナリストの新田龍氏だ。具体的な手口は、
会社がストーカーを雇って標的とする社員を集団でつけ回したり、家の前で張り込んだり
室内をのぞいたりするという。郵便ポストを荒らして郵便物を
グシャグシャにすることもある。

「おかしいのは自分ではない」という証拠を押さえる

ターゲットを見ながら数人で囁きあい、冷笑する。自分のことを話しているのかと
尋ねてきたら「なんだい、みんなの噂になるような重要な人物だと思ってるんだ。
妄想じゃないの?」と突き放す
密かに合鍵を作って家に侵入し、帽子やジャケットのサイズを変え、身体に異変が
起こったように思わせる。調味料やコーヒーの味、香水のかおりを微妙に変える。
椅子の高さを微妙に変える。ガソリンを抜くと窃盗と疑われるので、逆に毎夜注ぎ足す
新田氏は、個人の防衛策として、産業医の診断だけを信用して休職や退職をせず、
信頼できる人に紹介してもらった医師のセカンドオピニオンを取ることを推奨する。
また、つきまといなどの証拠を押さえるために、ICレコーダーやカメラを準備しておくことも
考えられるという。