昔々、世界を股にかけて王国風の設定を無断に流用していたさすらいの絵師がいたそうな
その絵を大層気に行った当時の恵洲(えす)国の宰相、陳はある日その絵師を王国に招くことにした
これからの国にまさしく必要な人材であるとこれを説き、国王を説得して王国専属の絵師となることが決まったという
絵師の名は平面の似顔絵がまるで立体であるかのように抜きん出て見えることから似出井(にでい)と言った
似出井が描いた人物画は恵洲国が独立するとその後大変な人気を博し、国王のお墨付きといふことで他でも益々好き勝手にその絵を流用していった
恵洲国の願い、「次代」の名を関するその人物画は全てを許し、また万物に慈愛を与えることから慈恵音(じえね)と呼ばれたそうな