AAAタイトルなどのフレームレートは?
 最近では大作ゲームタイトルのことを「AAA(トリプルエー)タイトル」と呼ぶことが多い。大作だけに、AAAタイトルは特にグラフィックス面がよく作り込まれており、要求されるハードウェアのスペックが高くなる傾向にある。
 AYANEO AIRでAAAタイトルは楽しめるのか――そこで、今回は「Apex Legends」と「Cyberpunk 2077」を実際にプレイしてみて、フレームレート(1秒当たりの描画コマ数)を計測することにした。
 両ゲーム共にデフォルト設定と最低設定(調整できる画質設定を全て最低レベルにしたもの)におけるフレームレートを「Fraps」で計測した。計測シーンは以下の通りだ。なお、比較的負荷が重いことを鑑みて、TDPは15Wに固定している。
・Apex Legends:射撃訓練場で走り回る
・Cyberpunk 2077:ゲームの開始直後に入手可能なクルマで街を走行
 各ゲームにおける平均フレームレート(3分間計測時)は以下の通りだった。
・Apex Legends(HD解像度)
・デフォルト設定:41fps
・最低設定:85fps
Cyberpunk 2077(フルHD解像度)
・デフォルト設定:10fps
・最低設定:19fps
 Apex Legendsは、画質設定を控え目にすればスムーズに遊べる。ただし、画質設定を抑えると、太陽の表現や銃の書き込みが簡略化される上、岩の表現も省略されるので注意したい。
 一方で、高度な3Dグラフィックスを多用し、最低でもフルHD解像度を要求するCyberpunk 2077は、最低設定でも厳しい結果となった。ただし、これで全く遊べないかといえばそんなこともなく、「何か急に遊びたくなったぞ!」という時の避難的なプレイはできる。HD解像度モードがあれば、もうちょっとよい結果を望めたのかもしれないが……。
普通のノートPCとしては十分すぎるくらいに高性能
 ついでなので、普通のノートPCとしての性能もチェックしてみよう。まずCPUの性能をチェックする「CIENEBNCH R23」のスコアを見てみよう。
・マルチコア
・5W:867ポイント
・8W:3144ポイント
・12W:5388ポイント
・15W:6183ポイント
シングルコア
・5W:340ポイント
・8W:685ポイント
・12W:971ポイント
・15W:1094ポイント
 元々の性能がよいRyzen 5 5560Uを搭載していることもあり、特に15W時のスコアは優秀である。ただし、フルパワーを維持した場合のバッテリーの持ちはどうなるのか気になる所なので、後で計測してみよう。
 続けて、TDPを15Wとした上で総合ベンチマークテスト「PCMark 10」を実行してみた。スコアは以下の通りだ。
・総合:4806ポイント
・Essentials:8869ポイント
・Productivity:7965ポイント
・Digital Content Creation:4265ポイント
 Ryzen 5 5560Uを搭載しているノートPCとしてはおおむね標準的なスコアといえるが、コンパクトかつ軽量なボディーに収めていると考えると、かなり驚異的ともいえる。
 ただし、AYANEO AIRにはキーボードやマウスが付属しない。マウスはタッチパネルやジョイスティックで代用可能で、キーボードもタッチ対応の仮想キーボードで対応可能だが、本格的にノートPCとしても利用する場合はBluetooth接続のキーボードやマウスなどを用意することをお勧めする。
 ストレージの性能はどうだろうか。「CrystalDiskMark 8.0.4」で読み書きのスピードを確かめてみよう。シーケンシャル(SEQ1M Q8T1)の結果は以下の通りだ。
・リード:毎秒1958.16MB
・ライト:毎秒1425.62MB
 先述の通り、AYANEO AIRに搭載されているSSDの“素性”は分からない。ただし、PCI Express 3.0接続のエントリークラスSSDだと考えれば妥当な結果である。むしろ、このコンパクトなボディーにより高速なSSDを搭載してしまうと、放熱の面で不安もあるので、これくらいがちょうど良い。
バッテリー駆動時間はどう?
 最後に、AYANEO AIRのバッテリー駆動時間をチェックしてみよう。今回はPCMark 10に含まれるゲーミングノートPC向けのバッテリーベンチマーク「Gaming comparsion」でTDPが15W(定格)、12W、8Wの時の駆動時間を計測した。結果は以下の通りだ。
・15W:59分
・12W:1時間10分
・8W:1時間37分
 さすがにフルパワーでは1時間持たない。一方、Game Modeと位置付けられる8Wにすると1時間30分以上の駆動時間を確保できた。「外出先でちょっとゲーム」というくらいであれば、十分な駆動時間といえるだろう。
●ちょっとした空き時間にプレイできるゲームマシン