・ジョイスティックの調整/ボタン割り当ての変更
 トップ画面でコントローラーの「Y」キーを押すと、CPUのTDP(熱設計電力)を変更できるようになっている。Ryzen 5 5560Uの標準TDPは「15W」に設定されているが、ファンの音を抑えたりバッテリー駆動時間を延ばしたりしたい場合は、TDPの上限値を「12W」「8W」「5W」に変更すれば対応可能だ。
 AYASpaceはWindowsのスタートアッププログラムとして登録されており、OSの起動に合わせて自動的に常駐する。
 本体右下にある「AYANEOボタン」を押すと、AYA Spaceの簡易版「AYAQuickTool」を起動できる。先述のTDP変更も、このQuickToolから簡単に行える。
●ベンチマークテストで実力を測る ここからは、AYANEO AIRの実力をベンチマークテストアプリを通してチェックしていこう。 3DMark どういう順番でテストを行おうか迷ったのだが、ポータブルとはいえ“ゲーミングPC”であることからゲームを意識したベンチマークテストから試していこうと思う。 まずは3Dグラフィックスの性能をチェックする「3DMark」からだ。先述の通り、AYANEO AIRではTDPの上限値を4段階から設定できる。TDPをフルパワーを発揮できる15Wと、「Game Mode」とされる8Wに設定した場合の総合スコア以下の通りだ。
・Time Spy(DirectX 12ベース、WQHD描画)
・8W:620ポイント
・15W:1063ポイント
Night Raid(DirectX 12ベース、フルHD描画)
・8W:4649ポイント
・15W:1万705ポイント
Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース、WQHD描画)
・8W:567ポイント
・15W:1175ポイント
Fire Strike(DirectX 11ベース、フルHD描画)
・8W:1163ポイント
・15W:2666ポイント
 当たり前かもしれないが、TDPが高いほどスコアはよい。ただし、よくよく見てみると、総合スコアの伸びはグラフィックス“以外”のスコアの伸びで支えられている傾向にある。ストレートにいえば、GPUのパワー不足が見え隠れしているということだ。
 AYANEO AIRは、AAAタイトルを720p(HD/1280×720ピクセル)で、その他のタイトルを1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)で楽しむことを想定して開発されたという。ただし、これらは軽量設定を前提とした想定である。詳しくは後述するが、実際のゲームを「軽量設定」にすると、本体のサイズや重量からは想像できないほどに快適なプレイを期待できる。「とりあえず外でもPCゲームを楽しみたい!」というニーズにはしっかり応えられそうである。
FF14ベンチマーク
 続けて、実際のゲームをベースとする「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチ)」を実行してみよう。結果は以下の通りだ。
・最高品質
・15W(フルHD):2260ポイント
・15W(HD):4369ポイント
・8W(HD):2161ポイント
最品質(ノートPC)
・15W(フルHD):3073ポイント
・15W(HD):5892ポイント
・8W(HD):3003ポイント
標準品質(ノートPC)
・15W(フルHD):4228ポイント
・15W(HD):7629ポイント
・8W(HD):4524ポイント
 解像度をHDに落とすと、TDPが8Wの状態でも標準品質(ノートPC)で「普通」評価を得られる。15Wにすれば、最高品質でも「普通」評価になり、標準品質(ノートPC)なら「やや快適」評価となる。HD解像度なら、TDPを8Wにしても意外としっかりプレイできそうである。
 一方、解像度を標準のフルHDに引き上げると、15WのTDPをもってしても動作は厳しめである。しかし、標準品質(ノートPC)なら「普通」評価を得られる。
 なお、より負荷の高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も試してみたのだが、どのような設定でも「動作不能」という結果になったので結果は割愛する。