http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20120412/1040451/

 ソニーの平井一夫社長は2012年4月12日、東京都内で経営方針説明会を開催し、2012年度にグループ全体で1万人の人員削減と技術開発資源を
3つの事業領域に集中することで、苦戦の続くエレクトロニクス事業の再建に取り組むと表明した。

 過去最大の5200億円の赤字について平井社長は、「重く受け止めている。必ず変革し、ソニーは復活する」と強い決意を示した。再建への道筋は、
「奇策はないが、時間もない。決定から行動までのスピードを上げて実績を積み上げる。それが復活につながると信じている」と述べた。

 資源を集中するコア(核)事業領域は、デジタルイメージング、ゲーム、モバイルの3つ。デジタルイメージングは、デジタルカメラやビデオカメラ、
レンズ交換式デジタル一眼カメラなどの民生機器、放送局向けの業務用機器、半導体など。2014年度に売上高1兆5000億円と2桁の営業利益率を目指す。

 ゲームは売上高1兆円、営業利益率8%を目標に設定している。モバイルは、スマートフォン、タブレット、PCなどの事業領域で売上高1兆8000億円を
目指す。2014年度にエレクトロニクス事業で売上高6兆円を目指し、3つの事業領域でエレクトロニクス事業全体の売上高の70%を創出する計画だ。

 8期連続で赤字のテレビ事業は、固定費を60%、オペレーションコストを30%削減して2013年度の黒字化を目指す。他社との提携について平井社長は
「協業も含めてさまざまな道を検討していかなくてはならない。相手のあることで、現時点で話すことはない」と明言を避けた。