*漁業生産量は30年間で半減、日本は世界で8位—水産白書

2017年度の「水産白書」によると、過去30年間、世界の漁業生産量が約2倍に拡大したのに対し、日本の同生産量はほぼ半減した。近年、海洋での漁船漁業において中国などアジア諸国の台頭が著しく、日本は国・地域別で8位に後退している。

2017年度の「水産白書」(http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/29hakusyo/index.html) によると、過去30年間、世界の漁業生産量は食品流通の国際化や健康志向の高まりを背景として約2倍に拡大したのに対し、日本の同生産量はほぼ半減した。特に近年、海洋における漁船漁業において中国などアジア諸国の台頭が著しく、かつて世界をリードした「漁業大国・日本」は国・地域別で8位に後退している。

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日本の漁業・養殖業生産量は世界一だった1984年(1282万トン)をピークにその後約10年間で急減し現在も緩やかな減少傾向が続く。2016年の同生産量は前年比6%減の436万トンとなった。84年以降の減少は沖合のまき網漁業でのマイワシの漁獲減によるものとされ、水産庁は白書の中で「これは海洋環境の変動による影響が主因」と分析している。

*日本の減少分、中国、インドネシアらが増産

世界の漁船漁業の漁獲量を国・地域別にみると、日本は329万トンと前年と同じ8位にとどまった。全体の2割近くを占める中国(1781万トン)やインドネシア(658万トン)、EU(28カ国、544万トン)などに大きく水を空けられたままだ。過去20年間、EU、米国など先進国・地域の漁獲量が横ばいまたは減少傾向にあるのに対し中国、インドネシア、ベトナムなどアジアの新興国による増加が続き日本のシェアは縮小してきた。

1984年以降、世界の漁船漁業の漁獲量は日本の減少分を中国などが補ってほぼ横ばいに推移している。一方、世界の漁業生産急増分のほぼ半分を養殖生産が占めるが、日本の養殖生産は全体の3割以下にとどまっている。

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[2018.08.17] Nippon com
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