イタリア北部ジェノバで幹線道路の高架橋が崩落して多数の死傷者が出た事故で、コンテ首相は15日、12カ月の非常事態を宣言し、500万ユーロ(約6億3千万円)を復興に投じると発表した。
住民らからは道路管理の不備を問う声が上がっており、政府は橋の維持管理を請け負う高速道路運営会社の責任を問う方針だ。

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 新たな崩落の危険から、橋の周辺では住民の避難が進められ、市内のホテルや公民館などに多くの人が移っている。

 現場から約100メートルのアパートの5階に住む主婦マリアリータさん(52)は、21年前に住み始めた当初から、橋の危険性を感じていた。
コンクリートの破片がボロボロと落ちてきたり、ひび割れが目立ったり。
年々悪化し、ここ数年は橋を使うのを避けていたという。マリアリータさんは「道路会社も政府もなぜ手を打ってくれなかったのか」と怒りを隠さない。

 この地域の区議会議員を務めるミケーレ・パストリーノさん(43)によると、道路会社は頻繁に橋の補修工事をしていたといい、「まさか落ちるとは思わなかった」と話す。
「イタリアには新しいものを作るより、古いものをできるだけ長く使うという価値観がある。この考え方を変えるときに来ているのではないか」と話した。

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朝日新聞デジタル
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