在来種を滅ぼす危険がある外来生物が増えた池の水を全部抜くという民放テレビ局の番組が人気だが、米国南西部アリゾナ州では、膝の高さくらいまで水抜きした池の中から、両手で持ちきれないほど巨大なオタマジャクシが見つかり、話題を集めている。

 このオタマジャクシが発見されたのは、米国自然史博物館が民間ボランティアを集めて行っている池の清掃プロジェクトの作業中だ。

 ボランティアのひとり、アリゾナ大学の博士課程で学ぶ大学院生アーリン・マギー(Earyn McGee)さんは、今年6月、アリゾナ州南東部の池で、膝まで泥水に浸かりながら、外来種のウシガエルを除去する作業に参加した際、足元に触れる大きなナマズのような魚に気づいた。すくいあげてビックリ。片手ではあまるほどの大きさの巨大なオタマジャクシだったのだ!

 ウシガエルはもともと北米原産だが、東部から中部にかけて分布する生き物で、アリゾナ州では食用として持ち込まれた外来生物。牛のように「ブォー、ブォー」と鳴くうえ、在来ガエルの減少につながるため、世界中で厄介者扱いされている。成長すると20センチ近くになり、オタマジャクシも比較的大きめだが、アーリンさんが捕まえたのは桁違いだ。

 そこで旧約聖書に登場する巨人の名前から「ゴリアテ」と呼んで可愛がっていたが(このへんがフシギ)、ここまで成長した理由を探るために、SNSに投稿して専門家に意見を尋ねることにした(これは理解できる)。

 すると6月14日の投稿以来、1万3000件以上の「いいね」が押され、そのうち600人余りが興味深い意見を送ってきた。マギーさんによると、オタマジャクシは捕獲してから2カ月近く経過した今も成長を続けているが、一向にカエルに変わる気配がないという。

「異常成長はある特定のホルモンバランスが狂っているのが原因だと思います」とマギーさん。すでに350ml缶を上回るサイズに成長したゴリアテは、このまま大きくなり続けると、呼吸器と循環器が体の成長に追いつかなくなる可能性が高いという。

 現在、ゴリアテはマギーさんのペットから研究対象に昇格。研究所で詳細に分析した結果、少なくとも3年間はオタマジャクシの状態を続けていることが判明した。引き続き、原因の調査を続けるとともに、カエルに変態せずに、どれくらいの期間を生き続けられるか見守っていくという。

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