米国で社会問題になっている有力者のセクハラ疑惑は政界を巻き込んで、ハリケーンのように“猛威”を振るっている。中でも恥ずかしいのが、米野党・民主党の有力議員、アル・フランケン上院議員(66)だろう。ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏(65)の悪行がきっかけとなり、「#MeToo(私も)」の合い言葉で広がった有力者のセクハラ疑惑だが、フランケン氏は当初、「女性の味方」のように彼を非難していたからだ。与党を追及した問題が後で自分たちに跳ね返ってくる日本のどこかの政党のお家芸、ブーメランを見ているような展開だ。(ワシントン 加納宏幸)

 米国で社会問題になっている有力者のセクハラ疑惑は、政界も巻き込んで拡大している。なかでも、フランケン氏は人気バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演していた元コメディアンで、大統領選への出馬も取り沙汰されたこともある人気者とあって注目度は高い。

 フランケン氏の疑惑は上院議員就任前の2006年、コメディアンとしてアフガニスタンや中東に駐留する米兵を慰問した際、「寸劇のリハーサル」を口実に、ラジオ番組司会者のリーアン・トゥイーデンさん(44)にディープキスをしたり、軍用機内で眠っているトゥイーデンさんの胸を触る写真を撮ったりしたというものだ。
 トゥイーデンさんの告発によって疑惑が明るみに出たことを受け、他にも女性3人が議員就任後などに尻を触られたなどと名乗り出た。フランケン氏は11月末、疑惑の一部を覚えていないとしながらも「私を女性の味方だと思ってくれた多くの人々の期待を裏切った」と謝罪した。議員辞職はせず、上院倫理委員会の調査に協力する考えだ。

 フランケン氏は、ワインスタイン氏が長年にわたり多数の女優やモデルらにセクハラ行為を繰り返していた疑惑が報じられた今年10月、フェイスブックで告発した女性たちの勇気をたたえるとともに、ワインスタイン氏の行為を「ぞっとする」と非難していた。

 女性の権利を主張して保守派を攻撃してきたフランケン氏の行為だけに、リベラル派の失望は大きい。

 共和党でも南部アラバマ州で12月12日に実施される上院補選の候補、ロイ・ムーア元同州最高裁判事(70)が1970年代に未成年の少女にわいせつ行為をした疑惑などが次々と持ち上がった。
 ムーア氏は疑惑を「魔女狩りだ」と否定しているものの、キリスト教の倫理を説く強硬な保守派とあって、選挙戦からの撤退論が巻き起こった。

 米議会最長老の民主党重鎮ジョン・コンヤーズ下院議員(88)は元スタッフからセクハラをされたという訴えを血税を使って解決したと報じられ、所属する司法委員会の委員を辞任すると発表した。共和党のジョー・バートン下院議員(68)も愛人に送った自らのヌード写真をツイッターに投稿された。
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産経ニュース
2017.12.4 08:00
http://www.sankei.com/premium/news/171202/prm1712020024-n1.html