北朝鮮とアフリカの関係については、欧米メディアやアフリカの一部の研究者の間で、数年前から関心がもたれてきました。
北朝鮮がアフリカへのアプローチを強めたのは1970年代でした。当時、冷戦構造のもとで東西両陣営はアフリカで陣取り合戦を展開。
そのなかで北朝鮮は、東側陣営の一国として、白人支配に抵抗する黒人のゲリラ組織などに軍事支援を提供しました。
ソ連や中国など他の社会主義諸国だけでなく、北朝鮮からも支援を受けた個人や団体のなかには、
その後で政権を握り、現在もその座にあり続けているものもあります。
ジンバブエのムガベ大統領やモザンビークの与党FRELIMO(モザンビーク解放戦線)、
ナミビアの与党SWAPO(南西アフリカ人民機構)などは、その典型です。
また、この時期に北朝鮮は、文化交流事業として、
国営の美術製作会社である万寿台創作社のアトリエを
セネガル、ジンバブエ、ナミビア、コンゴなどに設立。
金日成のチェチェ思想の普及の一環として、
各地に数十メートルの銅像を建立するなどのプロジェクトを行いました。