サウジアラビアは自国民に対しレバノンへの渡航自粛を勧告し、すでに入国している場合はできるだけ早期に出国するよう呼び掛けた。国営サウジ通信(SPA)が9日報じた。レバノン首相が突然の辞任を発表して以来、レバノンの安定を巡る懸念が高まっている。

  サウジアラビアとイランの緊張激化で、レバノンは微妙な立場に立たされている。レバノンのハリリ首相は先週、滞在先のリヤドで突然辞任を表明し、イスラム教シーア派原理主義組織ヒズボラを通じイランがレバノンの内政に介入していると非難した。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ氏は国内に首相辞任を促す理由はなく、辞任決断の背後にはサウジアラビアの存在があると主張した。

  ベイルートを拠点とするレバント戦略問題研究所のサミ・ナデル所長は、「レバノンはカタールと同様の制裁を受ける可能性がある」と電話で述べ、「レバノンにかつてあった安全網はもはや存在しない」と指摘した。
bloomberg
2017年11月10日 03:04
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-09/OZ5UPK6KLVRB01