10月25日、米国政府が、物理的もしくは電子的な監視対象となり得る市民の解釈を拡大して、「国内出身の暴力的過激主義者」を含めたことが、ロイターが閲覧した公式文書によって明らかになった。写真は2015年7月、コロラドスプリングスの米空軍基地(2017年 ロイター/Rick Wilking)

米国政府が、物理的もしくは電子的な監視対象となり得る市民の解釈を拡大して、「国内出身の暴力的過激主義者」を含めたことが、ロイターが閲覧した公式文書によって明らかになった。

米国防総省は、自らの情報収集活動における管轄手続きのマニュアルを昨年改訂した。連邦議会や裁判所による検証を受けずに、こうした変更が可能になったのは、数十年前に遡る大統領令によるものだ。

昨年8月に出された新マニュアルでは「外国のテロリストとの特別な関係が確認できない場合」でも、防諜目的で米国民に関する情報を収集することが認められた。米空軍特別捜査局(AFOSI)が昨年作成した研修用スライドによって明らかになった。

この研修用スライドは、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが麻薬対策・移民管理を目的とする監視に関する連邦法の運用について「情報の自由法」に基づく請求によって入手したもので、ロイターだけに特別に提供された。

空軍と国防総省は、この文書が本物であることを認めている。
このスライドでは、「国内出身の暴力的過激主義者」のカテゴリーに該当するものとして、2015年12月にカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃撃事件や、フロリダ州オーランドで2016年6月に発生した同様の事件を挙げている。銃撃犯は犯行の直前、もしくは犯行の最中に過激派組織「イスラム国」への忠誠を宣言していたが、捜査官は、世界各地で民間人に対する銃器や爆発物による攻撃を行っている同組織との直接のつながりを発見できなかった。

国防総省で上級情報監督官を務めるマイケル・マハー氏は、「AFOSIをはじめとする軍防諜機関は、軍に関連する潜在的な状況が認められる場合には、現役軍人と米民間人双方を調査することが認められている」とロイターに語った。マハー氏によれば、民間人に対する調査は連邦捜査局(FBI)と協力しつつ行われるという。
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newsweekjapan
2017年10月30日(月)17時20分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8788.php