トルコ大統領、資産の国外移転は「反逆」 イラン制裁違反めぐる米裁判と関連か
http://www.afpbb.com/articles/-/3153998

【12月4日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は3日、トルコ東部ムシュ(Mus)で行った演説で、
実業家が国外に資産を移転させることは「反逆」だと非難し、自身の政権がこうした行為を終わらせると述べた。

 演説の中で実業家の具体的な名前は挙げられなかったが、トルコ検察は1日、対イラン制裁逃れに加担したとして2016年3月に米国で
逮捕・起訴されたイラン出身でトルコとの二重国籍を持つ金取引業者のレザ・ザラブ(Reza Zarrab)被告とその娘ら計23人の資産を差し押さえる
と発表していた。半国営のアナトリア(Anadolu)通信によると検察は捜査の一環だとしている。

 先月30日には米国の対イラン制裁に違反した罪で起訴されたトルコ国営のハルク銀行(Halkbank)副最高経営責任者メフメト・ハカン・アッティラ
(Mehmet Hakan Atilla)被告の公判がニューヨークで開かれ、証人として出廷したザラブ被告は、自身とハカン・アッティラ被告が実施していた行為に
ついてエルドアン氏は知っていたと述べた。ザラブ被告は、2012年に当時首相だったエルドアン氏らが他のトルコ公営銀行2行もイラン制裁逃れの
スキームに加えるよう「指示」を出したと知らされていたと証言した。

 トルコ国内には、有罪判決が出ればトルコの銀行が制裁を科される恐れがあるとの懸念が広がっている。トルコ政府は今回の裁判を「陰謀」と
非難し、米司法当局がトルコを政治・経済的に追い詰めようとしていると示唆している。(c)AFP