サウジアラビアのサルマン国王は26日、女性が車を運転することを認めるよう命令を出した。来年6月にも実現する見通し。サウジは女性の運転を認めない「世界でただ一つの国」(英BBC電子版)といわれてきた。
 サウジの女性活動家らは、運転している動画をインターネット上に公開するなどして、車の運転を認めるよう政府に働きかけてきた。拘束された経験がある女性などから歓迎の声が出ている。
 命令は政府が進める社会改革の一環とみられる。サウジは今年6月に昇格した国王の実子、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子を中心に大規模な改革を進めるとしており、雇用面などで女性の社会進出を期待する声もある。
 ロイター通信によると、命令の発出を受け、国内のイスラム教聖職者らは「シャリーア(イスラム法)を曲げる」などと反発している。サウジでは女性は全身黒ずくめの服で覆うよう義務づけられている。また、男性の後見人に守られるべき存在と定められ、教育や就職、結婚から旅行に至るまで、後見人の許可が必要とされる。
 一方、米ホワイトハウスは26日、トランプ大統領がサウジ政府の決定を「称賛」したとの声明を発表した。声明は「サウジの女性の権利と機会を促進させる前向きの一歩だ」と指摘し、トランプ政権として今回のような改革を通じたサウジの社会と経済の強化を支援し続けると表明した。
産経ニュース
2017.9.27 11:56
http://www.sankei.com/world/news/170927/wor1709270044-n1.html